マニュアル制作スケジュールの作り方(3) 変化点はどう追うべきか?

前回の記事では、目次構成と制作スケジュールやステータス管理を連動させることに触れました。

マニュアル制作で大事なのは、新版であっても改版であっても「変化点管理」をきっちりと行うことです。

目次構成に対して、細かくステータスや変化点を管理すると、突然の仕様変更があっても変更箇所が追いやすくなります。

目次構成とステータス管理を連動させ、変化点を追いやすくする

製品仕様の変化点は、マニュアルと一致しないのが常です。

マニュアルの目次構成と、変化点が発生したらすぐに追えるようにしておく必要があります。

それがマニュアルの「変化点管理」です。

たとえば、目次構成と、変化点リスト、該当ページ、担当者、いつチェックしたのか? いつチェックを依頼するのか?などを連動させ、変化点の正引き・逆引きができるようにしておくと、変化点が発生した時に便利です。

変化点はどう追うべきか?

製品仕様の変化点は、影響が小さい場合、大きい場合があります。

文字やイラストを一部修正するだけでまかなえる物から、マニュアルの制作スケジュールまでも再検討しないと行けないような場合があります。

マニュアル制作では変化点には臨機応変に対応すべきですが、変化点が発生する環境は作業できる時間が少ない場合もあります。ここは落ち着いて対応したいものです。

いくつか対応例を挙げてみましょう。

リモコンの意匠が変更になった!(変化点に対して影響が小さい場合)

  1. マニュアルで掲載する意匠のイラストや文字の有無を確認する。
  2. 操作まで変ってしまうかどうか確認し、影響する範囲をすべて確認する。
  3. スケジュールに影響するか確認する。
  4. 原稿に漏れなく反映し、修正を行う。
  5. 変化点がマニュアルに適切に反映されているか確認する。

ソフトウェアのプログラムが変更になった!(変化点に対して影響が大きい場合)

  1. ソフトウェア開発者が管理している変化点リストを入手する。
    (これが入手不可能なソフトウェア開発状況だと、マニュアル制作体制自体を見直す必要もあります。)
  2. マニュアルに影響のある部分を、すべてのマニュアルから特定する。
  3. スケジュールに影響するか確認する。
  4. 原稿に漏れなく反映し、修正を行う。
  5. 変化点がマニュアルに適切に反映されているか確認する。
  6. 必要があれば、開発者にマニュアルの修正部分を確認してもらう。

マニュアルに掲載する予定の画面キャプチャー/ショット画像が変更になった!(変化点が明確でない場合)

  1. ソフトウェア開発者が管理している変化点リストを入手する。
  2. 変更になるキャプチャーの有無を確認する。
  3. 影響のあるキャプチャーのうち、変化点がどこなのか?どういった内容の仕様変更によりキャプチャーが変更になるか、開発者にヒアリングも行いながら確認する。
  4. 他の箇所に影響するか確認する。
  5. スケジュールに影響するか確認する。
  6. 原稿に漏れなく反映し、修正を行う。
  7. 変化点がマニュアルに適切に反映されているか確認する。
  8. 必要があれば、開発者にマニュアルの修正部分を確認してもらう。

変化点管理をプレッシャーに感じないようにする

変化点管理はマニュアル制作の大事な部分ではありますが、管理に力を入れすぎて精神的にまいってしまうこともあります。

管理をすることは最終目的でなく、マニュアルに変化点を抜け漏れなく反映させ、品質を保つことが最終目的なので、柔軟に対応したいものです。

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